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第4回どうして船の大きさを表すのに「トン」を使うの?

船の大きさを表すには、「トン」という言葉を使います。通常、「トン」は重さを表す単位で知られていますが、どうして船の大きさを「トン」と呼ぶようになったのでしょうか。

15世紀初めの英国では、船で運ばれる酒樽を数えて課税しており、この樽(容積は約40立方フィート)をいくつ積めるかが船の大きさの目安となっていました。同じ単位で船の大きさを表すと、商いや税制度等の適用基準として都合が良かったので、近世には船体や船室など船を構成するすべての内部空間の容積を算出し、100立方フィートを1トンに換算して表す方法が確立されました。これが「総トン数」のルーツです。「トン」がつくので重さと思われがちですが、「総トン数」は船の容積を表しているのです。では、なぜ「トン」と呼ばれるようになったのでしょうか。酒樽の数は検数員が小槌で叩きながら数えていました。この時、樽を叩くと「タンタン」と音がするので、これが訛って「トン」になったと言われています。

一方、当時の日本では、米を基準のものさしとしていましたので「お米」の量で船の大きさを表すようになり、最大量で、お米を500石積める船を「五百石船」、また、1000石積める船を「千石船」等と呼んでいました。明治時代になり、貿易が盛んになると国際化が進み、船の大きさをトン数であらわすようになりました。「総トン数」は、船体内部の総容積(囲まれた容積)から二重底区画や上甲板より上にある航海、安全、衛生に関する場所等を控除した容積を、100立方フィートを1トンとして算出したものですが、この控除する場所を各国がそれぞれ定めていたので、同一寸法の船舶でもその国籍によってトン数が異なり国際的に統一された基準がありませんでした。

海運の国際性から統一基準の必要性が認識され、このような状況を改善するために、IMO(旧IMCO)における10年間に及ぶ検討の末、「1969年の船舶のトン数の測度に関する国際条約」が採択され、「国際総トン数」と「純トン数」が定められました。日本では、この条約が採択された後、ただちに関係業界との調整に入り、10年間にわたる国内法の整備について検討の末、1980年4月に「トン数法」が成立し、1982年7月8日から施行されました。こうした背景から、現在わが国の総トン数には、条約により統一された「国際総トン数」とわが国独自の「総トン数」の2つがあるのです。また、「純トン数」は、貨物倉の容積と旅客数等を基に船の稼働能力を表すもので、国際総トン数とともに国際航海する船に用いられています。

船の世界には、上記を含めて船の大きさを表す指標としていろいろなトン数があり、そのトン数は、容積に基づく「容積トン数」と重量に基づく「重量トン数」に分けられます。

「容積トン数」とは、一定の基準により船舶の寸法を測り算出した容積に係数を乗じて得た数値に「トン」を付して表したもので、前述までの「総トン数」「国際総トン数」「純トン数」などがあります。ここでいう「トン」とは、単位ではなく呼称としてのものです。 一方、「重量トン数」は、一定の基準により船舶の寸法を測り算出した数値をトン(1,000kg)により表したもので、「載荷重量トン数」などがあります。

『 国際総トン数( International gross tonnage ) 』
国際総トン数とは、1969年の船舶のトン数の測度に関する国際条約により、国際航海に従事する長さ24メートル以上の船舶は国際トン数証書の受有が義務付けられており、条約の基準に基づいて算出された閉囲場所の合計容積に係数を乗じて得た数値に「トン」を付けて表すものとされています。

純トン数( Net tonnage : N.T. )
純トン数とは、旅客または貨物を運送するために使用される船舶内の場所の大きさを表すために用いられる指標で、いわゆる、商用に供せられるスペースのトン数で、トン税、港税、岸壁使用料等の基準になるものです。なお、国際トン数証書には「国際総トン数」と「純トン数」が記載されております。

総トン数( Gross tonnage : G.T. )
総トン数とは、我が国における海事に関する制度において、船舶の大きさを表すための主た る指標として用いられる我が国独自の指標です。総トン数は、国際総トン数で算定した数値に、その数値を基準とした係数を乗じて得た数値に「トン」を付して表すものとされています。

『 載荷重量トン数( Dead weight tonnage : D.W.T. ) 』
載荷重量トン数とは、船舶の航行の安全を確保することができる限度内における貨物等の最大積載量を表すための指標として用いられる指標です。

人または貨物その他の物(燃料、缶水、清水、乗組員、食料、バラスト等)を積載しないものとした場合の軽荷状態の吃水に対する船舶の排水量(軽苛排水量)と、比重 1.025 の水面において計画満載喫水線に至るまで人または物を積載するものとした場合の排水量(満載排水量)との差を1000kgを1として、「トン」付して表すものです。 荷物の積載量で傭船や運賃が決定される貨物船では、載貨重量トン数がよく使われます。

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