海運プラザ 海運豆知識

第44回

他船を入れたくない安全領域

1.転落者発生直後にとるべき措置

(1) ひろい水域での安全領域の確保

避航開始距離に対する安全余裕の見積もりに加えて、他船とどの程度の距離を話して航過するかについても、その余裕の見積もりは操船者の判断に委ねられています。この余裕は、自船の周りに他船を入れたくない安全領域を、操船者自身がどのように見積もるかによって決まりますがひろい水域では相対速力が大きいので、より大きな領域が、せまい水域では相対速力が小さいこともあって、より小さな領域が見積もられます。下図はひろい水域での海上交通実態調査データーを解析して、自船の回りに他船を入れたくない領域はどれほどかを、求めた結果を示しています。自船(概ね1000G/T以下)を中心に前後8L(m)、左右に3.2L(m)の余裕が見積もられています。

(2) せまい水域での安全領域の確保

避航操船の結果確保される両船間の距離を、航過距離(Passing distance)といいます。避航操船に際し、他船とどの程度の距離を話して航過するかについても、その余裕の見積もりには一律の基準はなく、操船者自身が、自船の回りに他船を入れたくない安全領域をどのように見積もっているかによります。
下図は、湾港内などのせまい水域における航過距離について、式①には、これ以上他船を入れたくない領域に対応する限界航過距離を、式②には、これ以上離して航過すれば十分安心できるとする十分航過距離を示します。なお、FAは船首尾方向に確保したい航過距離、SPは左右方向に確保したい航過距離、またLOは自船の船長、Ltは、他船の船長です。

他船の避航だけでなく、湾港内などのせまい水域では、障害物を避けて航行するケースも多いので、この場合の避航操船するに当たり、最小限確保したい航過距離について、以下に障害物に対する離隔距離の目安を示します。LOは自船の船長です。

障害物に対する離隔距離
浮標0.33L
防波堤0.54L
岸壁0.68L
錨泊船0.89L

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