新造船「明和丸」ができるまで

Vol.1 新造船建造委員会設立~起工式まで

【所属】 船舶部【役職】 次長【氏名】 絹漉倫玄Vol.1 「新造船建造委員会」設立~起工式までVol.2 起工式~主要機器取り付けまでVol.3 進水式~初荷式まで

社内をはじめ建造造船所、各機器メーカー等の方々と議論、検討を繰り返し行い、建造計画段階から竣工まで約2年を費やして、無事竣工する事ができました。
今回は社内での建造計画から、起工式までの動きに焦点を当て、ご紹介いたします。

平成23年3月、船齢を重ねた「第三十八明和丸」の代替船建造に伴い、社長を筆頭に当社役員が中心となった「新造船建造委員会」、ならびに船舶部が中心となり、営業部、総務部毎に担当者をおいた「新造船建造委員会事務局」を発足させました。

事務局は各造船所、機器メーカー、乗組員からのヒアリング等を実施しながら、月1回 新造船の基本計画の立案、検討ならびに建造に伴う準備作業についての打合せを行い、取り纏めた案件を委員会に報告。委員会は事務局から出された案件について審議を行い、要否等を決定する機関として建造に向かって動き出しました。

(新造船建造委員会事務所)

平成23年3月9日 第一回目の事務局打合せを行いました。
事務局発足後、第一回目の打合せという事もあり、社長も参加し事務局ならびに委員会設立の目的や設計思想(堪航性、経済性、安全性、操作性、居住性)について社長の考えを伝えました。

「平成23年3月~6月にかけて訪船時やアンケートによる乗組員への新造船に装備する機器や居室についてのヒアリング、各造船所及び機器メーカーとの情報交換を行い、基本計画を検討し建造仕様を作成。
仕様の見直しを何度か行い8月初旬、これに基づく建造御見積を各造船所に依頼致しました。

(建造契約書)

各造船所から頂いた建造見積書の内容を事務局及び委員会で確認・検討の末、11月初旬に愛媛県八幡浜市に本社を置く株式会社栗之浦ドック(以下、栗之浦ドック)に建造を依頼することに決定致しました。
12月からは栗之浦ドックとの契約日や起工の日程等の調整ならびに具体的な建造詳細についての摺合せに入りました。
栗之浦ドックでは、499G/T型の内航ケミカルタンカーの建造実績が最近ではなかったとの事ですが、新規アイデアや設計担当者の知識・経験による適正な判断等により、想定・検討の段階を経て総合的に調和のとれた計画船の要目等を決定して頂きました。

栗之浦ドックの本社工場やブロック組立工場等の見学や打合せ、機器メーカーとの打合せをその後も繰り返し行い、平成24年6月26日に、めでたく建造契約を結ぶはこびとなりました。

(左:中田社長、右:栗之浦ドック 成瀬会長)

契約締結後は日本内航海運組合総連合会への建造申請ならびに認定の事務処理等を行い、ドックでは本格的な構造設計や材料、機器類の手配に入りました。
10月に入り一部の二重底のブロックの建造を開始し、平成24年11月29日に栗之浦ドック本社工場で起工式が執り行われました。

以上が、建造計画から起工式までのおおまかな流れとなります。
次回は起工式の様子から主要機器搭載までの流れをご紹介いたします。
(「Vol.2 起工式~主要機器取り付けまで」につづく)