海運豆辞典
海の深さの基準
海の深さのことを「水深」といいます。船が安全に航海するためには、この水深を知ることが必要です。もし水深がわからずに走って浅瀬に乗りあげてしまえば、大事故になって人命や荷物が失われることにもなってしまいます。そうならないために、航海には「海図」という海の地図をつかいます。海図にはこまかく水深が書かれていて、海の深さを知ることができます。
ところで海には潮の満ち引きがあり、水面は一定していません。では水深はどこを基準にして測るのでしょうか。日本では「略最低低潮面(ほぼさいていていちょうめん)」というのを海図の水深の基準にしています。この略最低低潮面は、潮の満ち引きを長いあいだ観測して平均した「平均水面」から計算して、数値を決めます。略最低低潮面は水深の基準となるので「基本水準面」とも呼びます。
この略最低低潮面は、ふだんはこれ以上水面が低くならない面です。ですからここから深さを測っておけば、潮がいちばん引いたときでも、海図に書かれた数字の深さがあることになり、船は安全な航海ができるのです。
(財)日本海事広報協会ホームページ「海と船なるほど豆辞典」から引用