二等航海士
岩手県出身
現在の職位は二等航海士で、明和海運株式会社が運航するケミカルタンカー「明桜丸(めいおうまる)」に 乗船しています。
今は、甲板部4名体制で4直なので「10-1(22-1時/10-13時)」のパターンで航海当直を担当しています。 航海当直は基本的に1人で担当(シングルワッチ)し、船長、一等航海士、二等航海士、及び甲板員が 3 時間 毎に交代して行います。(甲板員の当直時は職員1名がサポート)
当直中の主な仕事は、見張り、操船、そして航海日誌の記入などです。当直に入ると、まず前任者からの引継ぎを受けます。主機(エンジン)の回転数など船舶の状態を聞き、航路情報や周囲の状況等を確認し、本船の 現在地と漁船等の位置を把握します。引継ぎが終わると見張りを行い、レーダーやECDISを見て周囲の状況と 他船の位置等を確認し、操船しています。
海上技術短期大学校を卒業して、明和タンカーの本社で約10日間の新入社員教育を受けた後、明桜丸へ乗船しました。乗船して最初の頃は、追いつくのに精一杯でした。ケミカルタンカーは、少人数(6~8人)で仕事を進めていくので、最初から全体の流れを理解することが求められます。入港・着桟して荷役開始から終了し離桟・出港するま での流れについていくのも大変ですし、その流れ途中で、荷役に必要なものとかを全部覚えないといけない中で、なんとか覚えようと必死になっていると、流れに全くついていけなくなたっり、最初は精神的にも体力的にも結構きつかったです。少しずつ流れが見え始めてきた頃が2回目の乗船パターンで、それからだんだん楽になってきました。
船長からも言われていますが、商船は一つ一つの仕事が抜かりのないように、一つ油断すると自分の落ち度で失敗 に繋がり信用を失うことになる。だから、慣れたふりはしないように、常に覚えたてのようにしっかり確認するこ とを心掛けています。
最初は船長と同じパターンで、船長の当直を通して船内でどのような仕事をしているかを教えていただきました。
入社時の職位は甲板員ですが、船長が計画を立ててくれて、段階的に仕事を覚えていきます。ある程度乗船経験を積むと、船長から一部の海域でシングルワッチをさせてもらえるようになりました。基本的に、船長は何かあった 時にしか、指示を出しません。自分で考え、判断できるよう指導していただきました。
そのお陰もあり、入社して1年で二等航海士に昇格することができました。これからは、自分が主体となって判断して仕事を進めていかなければなりません。自分が責任ある立場になることを意識するようになりました。
学生時代から、ケミカルタンカーの船員は、仕事は大変だがレベルが高いと先生から聞いていました。早い段階で全体の仕事の流れを理解し、幅広い仕事の数をこなせるというのは、他の人よりも自分のレベルを上げることができるし、やりがいを感じています。
仕事を通して精神的にも強くなりましたし、まだまだこれからですが、今のうちにできることは貪欲に取り組み、今後も、下を見るのではなく、上の存在だけを見て、それを追い続けて、ケミカルタンカーの船員としての高みを目 指していきたいです。
全部把握しきれていませんが、誰に船のことを質問されても直ぐに答えられるように、細かいところまで理屈もちゃんと説明できるような船員になりたいです。
船長、一等航海士そして先輩方を見ていると、上位の職位になるには、仕事のことを全て把握し、皆から信頼され、責任感が強くなければならないことを思い知らされます。皆から信頼されるためには、裏表がなく皆と接して、人をまとめなければならないことを学んでいます。まだ、時間がかかると思いますが、そういう人間になれるよう、今から一つひとつ、確実に自分ができることを広げていきたいと思います。
やはり船長はすごいと思います。全て計画を立てて、計画どおりに進んでいて、それが見ていて分かります。 先の先まで考えていて、何でも知っていますし、皆からの信頼も厚い。私もそういう船長になることを目指していきたいです。
下船して実家に帰ると、仲間や父親と釣りに行くことが多いです。実家は岩手県久慈市にあります。父親が小型船舶を持っているので、船を出してもらったりしています。沖に出て、夏と冬には、ウニやアワビも捕ります。
学生時代はフットサルなどをしていましたが、仲間と休みが合わないので、最近はしなくなりました。
地元や学生時代の仲間とは、日中は会えませんが、皆の仕事が終わってから、夕食を食べに行ったり、飲みに行ったりしています。
昨年、車を購入したので、家族と温泉に行ったりしています。実用性のある車が欲しくて、ランドクルーザープラドにしました。最初は、クーペとか二人乗りのスポーティな車もいいなと思いましたが、人も乗せられないし、実用性 なさすぎるので。結局、人も乗せれて、長く乗れてランクルカッコいいなと思い、この車に決めました。燃費は相当悪いですけど。。
入社して初めて乗船した当初は、仕事に慣れるまで半年程度かかりました。海上では24時間、同じメンバーと生 活を共にするので気を遣いますし、船酔いもします。荷役作業は、当直後に連続して行うこともあるので、睡眠不足になったり、正直、慣れるまでの間は、体力的にも精神的にもきつかったです。やはり、基本的な体力と強い精神力が求められる仕事です。
ただ、荷役作業の翌日は、通常の船内生活パターンに戻るので、体調を整えることができますから、慣れてしまえば大丈夫なのですが、タンカー船員を目指す人は、あらかじめ心構えが必要です。
また、最初の頃は、分からないことが多いので、一つひとつ聞いて確認しながら覚えていかなければなりません。コミュニケーション能力は船員の資質としては、一番求められるものだと思います。
ケミカルタンカーは、乗船人数が少ないので、全体の仕事の流れを把握しなければなりませんし、一人ひとりの仕事の範囲が広く、量も多いので、高いレベルを求められます。上を目指す気持ちが強い人だったり、下を見ないで上の存在だけを見て、それを追える気持ちを持っているような人に向いている仕事だと思います。
船員としての高みを目指す方にとっては、最適な環境だと思います。是非、当社の門を叩いてみてください。