海運豆辞典

トン数

船の大きさを表すには、「トン」という単位が使用されるようになったのはいくつか起源があると言われています。
 15世紀のイギリスでは船に積むことができるブドウ酒の大樽の数で、船から税金をいくら取るかを決めていたとされており、この酒樽をいくつ積めるか数える時、棒で酒樽を叩くと「タン、タン」と音がするので、「何たる」という代わりに「何タン」と言うようになり、やがてこれが訛り「何トン」と呼ぶようになったと言われています。また、大酒樽のことを英語で「タン」と言っていたのがそのまま符号となり、「トン」と言われるようになったという考えもあります。
日本では昔、船の大きさを五百石船や千石船のように、積むことができる米の石数で表していました。しかし、明治時代になり、貿易が盛んになると国際化が進み、「トン数」で表すようになりました。
現在、船の大きさは総トン数、純トン数、排水トン数、載貨重量トン数など、船の容積や重量で表されています。

「総トン数」
船の外板の内側から外板の内側まで全ての容積のことであり、船の中の広さを表しており、 商船や漁船などで最も広く使われています。

「純トン数」
旅客または貨物を運ぶために使われる場所の大きさを表しており、総トン数から船員室、機関室、船用品倉庫、二重底などを除いた広さのことです。

「排水トン数」
船の重さのことであり、船を水に浮かべたときに押しのける水の重量で表しており、主に軍艦で使われています。

「載貨重量トン数」
積める貨物、燃料、清水などの重さを表し、主に貨物船や原油タンカーなどで使われています。

トン数

本文出展・挿入図出展:「公益財団法人 日本海事広報協会」
https://www.kaijipr.or.jp/mamejiten/fune/fune_14.html